著者
御宿 哲也 永田 守男
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第39回, no.ソフトウェア工学, pp.1475-1476, 1989-10-16

プログラミング言語Prologは、記述力が高い反面、Lispなどに比べて言語としての歴史が浅いため、プログラミング環境としての整備が遅れているといわれている。しかし、E. Y. Shapiroが、ユーザとの対話によってバグを同定するアルゴリズムを考案してから、Prolog言語の特徴に着目したデバッガの研究が進んでいる。この手法はバグ箇所の同定という点では汎用的であるが、実際のプログラミングを考慮にいれていないので、同定されたバグに対する修正案を提示したり、修正のヒントを示すことに対しては弱い。一方、対象とする言語は異なるが、Solowayらは、プログラミングに関する知識に主体に置いたデバッグ方式を研究している。この手法はプログラミングに関する知識とはいえアルゴリズムに限られているため、アルゴリズムが分かっている場合にしか適用できないという点で汎用性に欠ける。そこで、本研究では、前者の手法に知識としてプログラマーが用いていると思われるスキーマを組み込むことによりプログラムの静的な解析を強化し、バグの説明とその修正のヒントを与えることが可能なデバッギング・システムを考案する。