著者
木村 重光 徳丸 晋 菊地 淳志
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.13-18, 2008-02-25
被引用文献数
17

E. coryliはダイズ子実汚斑病(仮称,英名:yeast-spot disease)の原因菌として知られている.ダイズ子実汚斑病(仮称)を媒介するカメムシ類の種を特定するために,2006年の7月から9月にかけて京都府および広島県内のダイズ圃場において,ホソヘリカメムシ,アオクサカメムシ,イチモンジカメムシおよびブチヒゲカメムシを採集した.採集されたホソヘリカメムシ,アオクサカメムシ,イチモンジカメムシおよびブチヒゲカメムシ成虫のE. coryliの保菌率はそれぞれ,77.7%, 35.7%, 20.4%および43.8%であった.また,採集されたホソヘリカメムシ幼虫のE. coryliの保菌率は11.5%であったが,アオクサカメムシおよびブチヒゲカメムシ幼虫からは分離されなかった.採集されたホソヘリカメムシ,アオクサカメムシ,イチモンジカメムシおよびブチヒゲカメムシ成虫はそれぞれ, 81.6%, 50.0%, 16.7%および40.0%が,健全ダイズ種子にE. coryliを媒介した.これら4種のカメムシが,ダイズ子実汚斑病(仮称)病原菌E. coryliを保菌,媒介することができることが示唆された.