著者
徳山 長
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.360-367, 1976-03-31

個別生産工場(発電プラントや一般産業用プラントのシステムおよび制御機器, 構成機器を生産する)における能率管理システムの革新事例を紹介する。たんに能率管理の局面のみでなく, 現場管理の実体と, 生産環境の変質(品質保証の重視, 技能育成と伝承の必要性, 班長の改善力向上, 等々)を十分加味し, 管理方式の見直しを図った。おもな革新点は(1)管理者(とくに係長)の率先力の発揮, (2)班長の自主性と改善力の発揮, (3)能率管理の視野の拡大と方式の改善, (4)標準時間の純化と時間管理の改善, である。新方式導入後6ヵ月で約6〜22%の生産性向上の成果をえた。加えて, 個別生産工場の将来の生産方式を想定するに, 「標準時間」のあり方について私見を述べる。