著者
山本 多香子 徳永 基与子
出版者
京都市立看護短期大学
雑誌
京都市立看護短期大学紀要 (ISSN:02861097)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.49-55, 2008

本研究の目的は,2003〜2005年に行われた看護の場に焦点をあてたアロマセラピーに関する文献レビューにより,研究のエビデンスの動向や今後のアロマセラピー研究の方向性を探ることであった.36の文献を分析した結果,看護の場におけるアロマセラピー研究は,基礎的研究で明らかにされている薬理作用を考慮し,臨床患者に活かそうとする状況がうかがえた.新たな成果として「出産後の浮腫改善」「精神疾患患者の不穏行動の軽減」「術中血圧の安定化」「便秘の軽減」「更年期障害に対する有効性」「会陰切開部の回復」があった.看護の場におけるアロマセラピー研究の課題は,対象に応じた製油・実施方法,アロマセラピー効果に影響する要因の考慮,大規模な無作為化・比較検討した研究を積み重ねていくことがあげられた.