著者
徳永 高志
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.39-46, 1998

戦前日本の私設劇場の経営形態は次の4つに分類できる。第一は、松竹に代表される興行会社による興行の器としての劇場経営である。第二は、帝国劇場に代表される演劇改良運動を背景とし国立劇場構想を視野に入れた劇場経営である。第三は、阪急による宝塚大劇場建設に代表される異業種企業による劇場経営である。第四が、地域の有力者たちによって自ら楽しみ興行する場所として建設された芝居小屋に代表される劇場経営である。
著者
徳永 高志
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.65-81, 1999-09-30 (Released:2009-12-08)
参考文献数
29

宝塚少女歌劇の伴奏オーケストラから発展し、1926年に設立された宝塚交響楽団は、戦前の関西地方における唯一のプロオーケストラであった。このオーケストラは、大資本阪急の後ろ盾を得たことにより、急速な発展を遂げたものの、それゆえに、1930年代半ばになると、阪急と少女歌劇の動向によって活動の停滞をも余儀なくされた。本稿では、今まで、ほとんど知られていなかった宝塚交響楽団の運営の実態を、未刊行史料を用いて明らかにする。