著者
徳留 靖明
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

(1).イオン性前駆体を用いたゾル-ゲル反応における構造形成過程の解析をおこなった。また、多様な反応系への本手法の拡張を試みた。まず、小角X線散乱(SAXS)その場観察により、多孔構造形成時の粒子形成過程および粒子凝集過程を明らかにした。1次粒子の粗大化を制御するとともに迅速な粒子凝集を誘起することが本手法を用いた多孔体作製に必要な条件であることが示された。SAXS測定で得られた知見に基づき、オングストローム領域、ナノメートル領域、マイクロメートル領域の3つの異なるサイズ領域に細孔を併せ持つ材料の作製にも成功した。これらの内容は国際学術論文誌にて発表済みである。併せて、リン酸カルシウム系における多孔体作製に関する研究を、昨年度に引き続きおこなった。試料作製手順および後処理手順を適切に制御することにより、多様な結晶構造を有するリン酸カルシウム多孔体の作製に成功した。上記内容および現在進行中の遷移金属酸化物多孔体作製に関する研究結果の一部は、国内および国際学会にて発表済みである。(2).無機ゾル-ゲル反応を用いて、有機ELデバイス中の界面構造の精密制御をおこなった。具体的には、無機ゾル-ゲル構造体の作製条件を変化させることにより、従来の研究では充分な検討がおこなわれていなかった作製条件-デバイス特性相関を系統的に調査した。本研究で得られた基礎科学的な知見に基づき、長寿命・高輝度・低電圧デバイス作製に向けた研究を進める予定である。上記の研究内容は国際学会にて発表済みであり、一部の研究結果は国際学術論文誌に投稿中である。