著者
徳竹 いづみ 小林 正義 杉村 直哉 冨岡 詔子
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.38-46, 2008-02-15

要旨:本研究の目的は,長期入院患者と合意される作業療法目標の特徴を明らかにすることである.合意面接に同意した72名の入院患者を対象に「合意内容調査票」を用いて調査した結果,「身体・健康管理」,「楽しみ・趣味」,「気分転換」に関することが対象者と合意されやすい目標であり,面接を2回行った37名の結果からは,合意内容が作業療法経過に沿って発展していくことが確認された.これらの結果は,長期入院患者と理解しやすいことばで目標を合意することの重要性を示しており,対象者と作業療法目標を分かち合う過程は日常生活に意味や価値をもたらし,長期入院による二次的な機能低下を防ぐための基本的な援助過程と思われた.