著者
小林 正義 山元 正昭
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.95, no.8, pp.959-965, 1975-08-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
9
被引用文献数
3 3

Acceleration of gelation reaction of limulus lysate was observed by the addition of a concentration higher than 10-3M of alkaline earth metals, such as Mg2+, Ca2+, B2+, or Sr2+. The limulus lysate containing Mg2+ or Ca2+ in a concentration of 10-1M as an additive showed the highest sensitivity which was 500 times that of original lysate. The sensitivity of the limulus lysates with Sr2+ or Ba2+ as an additive was lower than that of the limulus lysates with Mg2+ or Ca2+ as an additive. Acceleration of gelation reaction was interrupted by the use of any of alkaline earth metals in 1M concentration, and especially by the addition of Ca2+ in 1M concentration, approximately complete inhibition of gelation reaction being observed. Addition of a chelating agent such as ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA) or diethylenetriamine-N, N, N', N", N"-pentaacetic acid (DTPA) reduced the sensitivity of limulus lysates to one-tenth of the sensitivity of the original limulus lysate in 10-2M concentration of such a chelating agent. The lowering of pH resulting from chelating streng-thens the lowering of the sensitivity of the limulus lysates. Complete inhibition of the gelation reaction was observed with marked lowering of the pH by the addition of EDTA to the limulus lysate containing a higher concentration of Mg2+. Correlation between the sensitivity of the limulus lysates and concentration of Mg2+ or Ca2+ was not observed. Reexamination of the optimum pH for the gelation readion necessitated the correction of pH to 6.75-7.25 from the previously reported pH range of 6, 50-6.75.
著者
松田 徹 門馬 孝 大泉 晴史 深尾 彰 河田 純男 芳賀 陽一 鞍掛 彰秀 白田 一誠 成沢 信之助 穀野 真一郎 齋藤 壽一 外田 博貴 小林 正義
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.252-259, 2011 (Released:2011-04-15)
参考文献数
6
被引用文献数
1

山形県におけるがん検診受診率は全国的には高いものの, 明らかな死亡率低下のためには不十分である。受診率向上には種々の方法があろうが, 本県の情況を検討した。本県のがん検診受診率向上に向けた対策の中で, 市町村や事業所に対して実施したがん検診に関するアンケート調査, 著効例や, がん検診に関してのニュースレター, 受診率向上への保健所の関わりなども示した。これらの結果から今後の対策のあるべき方針を示し, がん検診未受診者に対する再受診勧奨と, がん検診の申込みの時点での勧奨, 再勧奨も重要であることを示した。
著者
小林 正義 佐野 隆一 藤井 豊 及川 真一 阿部 隆三 後藤 由夫 山内 祐一
出版者
一般社団法人 日本動脈硬化学会
雑誌
動脈硬化 (ISSN:03862682)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.1155-1160, 1986-12-01 (Released:2011-09-21)
参考文献数
16

Lipids metabolism during prolonged fasting (10-days complete fasting) has been studied in 23 psychosomatic patients (9 male and 14 female, average 29.2 y. o.), who had no metabolic disease.During the fasting period, serum F.F.A. and Cholesterol levels significantly elevated (p<0.001).In the lipoprotein fraction, LDL-cholesterol and LDL-triglyceride (d: 1.006-1.063) significantly elevated by fasting (p<0.001), but VLDL-triglyceri de (d;<1.006) decreased (p<0.05).The increase of LDL reflected the increase of LDL2-fraction (d; 1.019-1.063), and this was related to thyroid hormone levels. T3 levels decreased during prolonged fasting (p<0.01).It was considered that increase of LDL was related to the decrease of LDL-receptor activity which was dependent on T3-levels.
著者
徳竹 いづみ 小林 正義 杉村 直哉 冨岡 詔子
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.38-46, 2008-02-15

要旨:本研究の目的は,長期入院患者と合意される作業療法目標の特徴を明らかにすることである.合意面接に同意した72名の入院患者を対象に「合意内容調査票」を用いて調査した結果,「身体・健康管理」,「楽しみ・趣味」,「気分転換」に関することが対象者と合意されやすい目標であり,面接を2回行った37名の結果からは,合意内容が作業療法経過に沿って発展していくことが確認された.これらの結果は,長期入院患者と理解しやすいことばで目標を合意することの重要性を示しており,対象者と作業療法目標を分かち合う過程は日常生活に意味や価値をもたらし,長期入院による二次的な機能低下を防ぐための基本的な援助過程と思われた.
著者
宮川 修 渡辺 孝一 大川 成剛 中野 周二 塩川 延洋 小林 正義 田村 久司
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.653-661, 1989-09-25
被引用文献数
1

ビトリファイドホィールで13%Crを含む歯科鋳造用Ni合金を能率良く研削するための研削方法と砥石構成要素を確立することを目的として, 被削材に送りを与えながら一定荷重で研削できるように前報の天秤型研削試験装置を改造し, これによって市販のホィール2種と砥石構成要素の異なる試作ホィール11種の研削性能を評価した.アルミナホィールは砥粒が一様に著しく摩滅した.少なくとも軟質のNi-Cr合金に対しては, カーボランダムホィールが有効である.ホィールを被削材に単に押しつける研削ではホィールの性能を十分発揮できない.ホィールの回転方向にハンドピースを動かしながら比較的大きな力で研削することが大切である.研削荷重が50と100gfでは試作カーボランダムホィールの研削性能は市販ホィールのそれと大同小異であったが, 150, 200gfに増すと, 結合剤が19%で粒度#150のカーボランダムホィールだけが市販ホィールの約2倍の性能を発揮した.安定した高い研削性能の持続はホィールの損耗による砥粒の新出のためと考えられる.
著者
宮川 修 渡辺 孝一 大川 成剛 中野 周二 塩川 延洋 小林 正義 田村 久司
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.7, no.11, pp.187-188, 1988-03-31

砥粒の種類、粒度、および結合度を変えた各種のビトリファイドホィールを試作し、一定重で研削する天秤型の装置を用いてホイールの回転数24, 000rpmで1時間の連続乾式研削を行い、通法により鋳造した13%Cr-Ni合金に対する研削性能とその持続性を調べた。Ni合金の研削にアルミナホィールは不向きであるが、カーボランダムホィールの場合、ある程度の損耗は度外視して比較的大きな力で研削するならば、かなり良好な性能を発揮するホィールを得ることができた。この場合、被削材にホィールを単に押しつけるのではなく、被削材とホィールの間に相対的な動き(被削材の送り)を与えることが重要である。
著者
加藤 英治 小林 正義 古賀 久嗣 橋本 一慶 神作 拓也
出版者
日本再生歯科医学会
雑誌
日本再生歯科医学会誌 (ISSN:13489615)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.41-61, 2004 (Released:2005-06-03)
参考文献数
7

顎顔面領域では, 環境造り (スペースメーキングやバリヤーメンブレン等) と自己細胞活性(コルティフィケーションや移植), 誘導・成長因子(PRP, BMP, エムドゲイン®など)が単独や, 組み合わせで応用されている. これらを支持する骨造成の臨床は, 安全でより簡便な方法が望まれ, バイオマテリアルも生体適合性, 形状、機能, エピデンスが求められている. 今回, PRP 作成操作を手術前に行い手術日の負担軽減を計るための凍結保存PRP, 血小板の活性化やデリバリーのためのコラーゲン応用, 下顎骨からの骨原性間葉系幹細胞の採取や培養細胞移植材の可能性を探り, それらを組織再生まで支持する担体やバリヤーとしてHA・コラーゲンの複合体を作成し, 組織再生のピラミッド(図 1)を完成させるべく, 実験および臨床応用を行った. 凍結 PRP・コラーゲン・HA・培養細胞を組み合わせ, 今後の臨床化への可能性をお示ししたい.
著者
広田 秀憲 小林 正義 関東 良公 上田 一之
出版者
日本芝草学会
雑誌
芝草研究 (ISSN:02858800)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.125-130, 1987
被引用文献数
1

著者らの観察ではセンチピードグラスは新潟市の気象環境の下でも10数年は生きるものと考えられ, 耐寒性はバーミュダグラスとほぼ同じ程度に強く, 冬の極値が12°F (-11℃) 以上の気温で生育する。晩秋の霜枯れしたあと生育を停止する。年平均気温13℃の地域を北限としているため, 限界地帯では年によりかなり冬枯れするが, すべて枯死することはなく春になれば再び旺盛に生育を始める。<BR>ほふく茎は2次茎も3次茎も太く, 葉幅も3~4mmと芝草の中では広い方である。芝地としては管理しやすい草種である。病虫害にも強い。早春と秋にモグラの害を蒙ることがありモグレスなどの忌避剤をまく必要がある。<BR>本草種の用途としては, ゴルフ場のラフ, 公園の植込みの間, 運動場のフィールドや観覧席, あるいは道路, 堤塘などにおける平面や斜面の緑化などに普及性が高い。ほふく茎のもつ被覆力, 各節からの旺盛な発根力をもつと種々の方面に活用したいものである。<BR>なお, 本草種は飼料としての価値はあまり高くないとみられているが, 平準的な季節生産性を利用して兎, 羊など中小動物による放牧利用の可能性がまだ残されている。
著者
岩野 健蔵 小林 正義
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.403-409, 2018-08-15

要旨:本研究の目的は,統合失調症長期入院患者の認知機能障害を,外来(デイケア)患者との比較によって明らかにすることである.入院群(n=33)は外来群(n=30)より,年齢,累積入院期間,服薬量,簡易版陽性・陰性症状評価尺度(Brief PANSS)の妄想が有意に高く,機能の全体的評定尺度(GAF)と統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS)の言語性記憶,ワーキングメモリ,運動機能,注意と処理速度,遂行機能,総合点が有意に低かった.入院群の認知機能障害には,長期入院や慢性経過を背景とする全般的な心理社会的機能の低下や抗精神病薬服用量などが,関連している可能性が推測された.
著者
広田 秀憲 小林 正義 関東 良公 上田 一之
出版者
日本芝草学会
雑誌
芝草研究 (ISSN:02858800)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.125-130, 1987-02-28 (Released:2010-06-08)
参考文献数
6
被引用文献数
3

著者らの観察ではセンチピードグラスは新潟市の気象環境の下でも10数年は生きるものと考えられ, 耐寒性はバーミュダグラスとほぼ同じ程度に強く, 冬の極値が12°F (-11℃) 以上の気温で生育する。晩秋の霜枯れしたあと生育を停止する。年平均気温13℃の地域を北限としているため, 限界地帯では年によりかなり冬枯れするが, すべて枯死することはなく春になれば再び旺盛に生育を始める。ほふく茎は2次茎も3次茎も太く, 葉幅も3~4mmと芝草の中では広い方である。芝地としては管理しやすい草種である。病虫害にも強い。早春と秋にモグラの害を蒙ることがありモグレスなどの忌避剤をまく必要がある。本草種の用途としては, ゴルフ場のラフ, 公園の植込みの間, 運動場のフィールドや観覧席, あるいは道路, 堤塘などにおける平面や斜面の緑化などに普及性が高い。ほふく茎のもつ被覆力, 各節からの旺盛な発根力をもつと種々の方面に活用したいものである。なお, 本草種は飼料としての価値はあまり高くないとみられているが, 平準的な季節生産性を利用して兎, 羊など中小動物による放牧利用の可能性がまだ残されている。
著者
宮川 修 渡辺 孝一 大川 成剛 中野 周二 小林 正義 塩川 延洋
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
Dental Materials Journal (ISSN:02874547)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.175-185, 285, 1989-12-25
被引用文献数
44 69

燐酸塩を結合剤とし,アルミナ/シリカを耐火材とする埋没材の鋳型に市販のチタンを鋳造した。鋳造体の表層構造をEPMAによって調べ,それが次の4層からなることを明らかにした。すなわち,第1は反応層(焼き付き層),第2は酸素とAlで安定化したα相の層,第3はSi, P, C及び酸素が所々に濃縮された層,そして第4は針状または板状結晶の集合体である。鋳造体の体積が大きいほど,また鋳型温度が高いと,各層が厚くなり,針状結晶も粗大になる。 この多層構造は鋳込みの際に埋没材が溶湯に巻き込まれてできたものではないことは実験結果から明らかである。埋没材の還元されやすい成分の分解によって生じた元素が鋳造体の内部へ拡散してできたものと考えられる。