著者
樋口 泉 沢 俊行 志村 穣
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 = Journal of the Adhesion Society of Japan (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.209-216, 2000-06-01
参考文献数
24

衝撃曲げモーメントを受ける同稲材料被着体のスカーフ接着継手における応力伝播と応力分布を三次元有限要素コードDYNA3Dを用いて解析した。解析においては,一方の被着体の端部を固定し他方の被着体の端部に衝撃荷重を作用させ曲げモーメントを発生させた。その結果,固定される被着体と接着層との界面にミーゼス相当応力の最大値が発生した。被着体のスカーフ角,接着層厚さおよび被着体の縦弾性係数が応力挙動におよぼす影響を調べた。その結果,スカーフ角が45.及び60.でミーゼス相当応力の最大値はより小さくなることが分かった。接着層の厚さが小さくなるに従いミーゼス相当応力は大きくなる。接着剤の縦弾性係数が大きくなるとミーゼス相当応力の最大値は大きくなることが分かった。接着層中央部端部近傍のひずみ応答に関する実験を行い,実験結果と解析結果はかなりよく一致した。