著者
沢 俊行
出版者
日経BP社
雑誌
日経メカニカル (ISSN:03863638)
巻号頁・発行日
no.539, pp.60-66, 1999-08
被引用文献数
1

あの大惨事を覚えているだろうか-。1991年6月6日,山梨県御坂町の国道137号線。通称「御坂峠」の下り坂を約4kmにわたって,1台の大型トレーラが暴走。道路沿いの電柱や標識をなぎ倒し,走行中の車17台を巻き込んで大破した(図1)。死者2名,重軽傷者12名-。翌日の新聞は,「さながら竜巻が通り過ぎた跡のよう」(91年6月7日付け朝日新聞)と,この白日の悪夢を伝えた。
著者
沢 俊行
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.586, pp.128-131, 2003-07

2001年5月6日午後5時過ぎ。山梨県にある遊園地「富士急ハイランド」で突然,悲鳴が夕闇を切り裂いた。悲鳴の先は「フライングコースターバードメン」。2人ずつ腹ばいになってゴンドラに乗車し,全長440m強のコースを鳥のように駆け抜けるアトラクションだ。上にある軌道から前後2点でつり下げた,ゴンドラの一つの前部が落下。
著者
樋口 泉 沢 俊行 志村 穣
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 = Journal of the Adhesion Society of Japan (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.209-216, 2000-06-01
参考文献数
24

衝撃曲げモーメントを受ける同稲材料被着体のスカーフ接着継手における応力伝播と応力分布を三次元有限要素コードDYNA3Dを用いて解析した。解析においては,一方の被着体の端部を固定し他方の被着体の端部に衝撃荷重を作用させ曲げモーメントを発生させた。その結果,固定される被着体と接着層との界面にミーゼス相当応力の最大値が発生した。被着体のスカーフ角,接着層厚さおよび被着体の縦弾性係数が応力挙動におよぼす影響を調べた。その結果,スカーフ角が45.及び60.でミーゼス相当応力の最大値はより小さくなることが分かった。接着層の厚さが小さくなるに従いミーゼス相当応力は大きくなる。接着剤の縦弾性係数が大きくなるとミーゼス相当応力の最大値は大きくなることが分かった。接着層中央部端部近傍のひずみ応答に関する実験を行い,実験結果と解析結果はかなりよく一致した。
著者
沢 俊行 唐沢 明浩 原田 容一 清水 章弘
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.52, no.476, pp.1455-1461, 1986

The design method of bolted joints with gaskets is almost based on experience, and the sealing performance is not made clear by theoretical analyses. In the present paper, discussion is made on the distribution of contact stress in the bolted joints fastened with tap bolts, when a clamped part with a gasket is the cover of a pressure vessel and a circular flange. The distribution of contact stress is analyzed as a three-body contact problem, using the three dimensional theory of elasticity. Moreover, the contact stress is measured by means of ultrasonic-waves. In addition, the force ratio (the ratio of an increment of the bolt axial force to an external load) and the maximum stress caused in bolts taking account of a bending moment are analyzed. For verification, experiments are carried out, and the analytical results are in fairly good agreement with the experimental ones.
著者
沢 俊行
出版者
日経BP社
雑誌
日経メカニカル (ISSN:03863638)
巻号頁・発行日
no.565, pp.92-104, 2001-10

本章で扱う「平板」のイメージは,圧力容器や下水配管に設けたマンホールのふたやエンジンのシリンダヘッドなどだ。この種の平板は機械構造物に常用されているが,その設計の際には,板厚をいくらにすべきか作用荷重に対して壊れないかたわみはいくらになるか内圧が変動する圧力容器の配管系などに使用したときには共振しないか—と,色々心配してしまう。
著者
沢 俊行
出版者
日経BP社
雑誌
日経メカニカル (ISSN:03863638)
巻号頁・発行日
no.549, pp.96-100, 2000-06

1993年正月あけ。高速道路の上り線を走る左ハンドルの乗用車が東京を目前に,Uターンの人たちでごった返すパーキングエリアに立ち寄った。束の間の休息。ドライバーは再びステアリングを手に,エンジンを始動させた。乗っていたのはAT車。
著者
沢 俊行 平良 善進 白石 浩之
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.49, no.442, pp.1092-1100, 1983-06-25
被引用文献数
1

円形フランジ締結体に曲げ外力が作用したときの各ボルトに発生する軸力の増加分を推定する因子である曲げ内力係数を二次元弾性論および弾性床上のはり理論により解析する方法を示し、ボルト穴中心円直径が曲げ内力係数に及ぼす影響について検討している。さらにボルトに発生する曲げモーメントの影響を考慮した応力についても解析方法を示した。これらの結果を確かめるための実験を行い、両者はかなりよく一致することを示した。
著者
沢 俊行
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.633, pp.36-39, 2007-06

型連休も終盤に入った2007年5月5日。大阪府吹田市の万博記念公園内にある遊園地「エキスポランド」のジェットコースター「風神雷神zK」で1人が死亡し,19人が重軽傷を負う大惨事が発生した(図1)。その直後から,筆者は新聞やテレビをはじめとするメディアから取材を受け,今回の事故に関してコメントを出してきた。
著者
沢 俊行
出版者
日経BP社
雑誌
日経メカニカル (ISSN:03863638)
巻号頁・発行日
no.541, pp.66-70, 1999-10

1990年暮れのことだった。雪が積もる山の中で,川の堰堤(えんてい)工事が進んでいた。材料の生コンクリートは,現場から水平距離にして約451m離れた林道から送っていた。林道から現場までワイヤを張り,そこにバケットを吊るし生コンクリートを詰めて搬送していたのである。ある日,重量約2トンの生コンクリート入りバケットを搬送中に,ワイヤが突然切れた(図1)。
著者
沢 俊行 天摩 勝洋 西ヶ谷 達 仲野 雄一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.59, no.563, pp.1763-1770, 1993-07-25

The stress of band adhesive butt joints in which the interfaces are partially bonded, was analyzed using a two-dimensional, theory of elasticity in order to establish fracture criteria for the case in which the joints of dissimilar adherends are subjected to tensile loads. In the analysis, when the interfaces are bonded by an adhesive at two regions, the dissimilar adherends and the adhesive are replaced with finite strips. In the numerical calculations, the effects of the ratio of Young's modulus of adherends to that of adhesives, the thickness of the adhesives, the bonding area and position and load distributions on the stress distributions at the interfaces were demonstrated. In addition, with use of the stress distribution, a method for evaluating joint strength was proposed. As a result, it was observed that band adhesive joints were available when the bonding area and positions were varied taking into account external load distribution. For verification, experiments were performed on the strain of adherends and the joint strength. Analytical results were consistent with the experimental ones.