著者
志水 恵子
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.35-38, 2003

In vitro条件下におけるウシラクトフェリン(bLF)およびヒトラクトフェリン(hLF)の抗マウスサイトメガロウイルス(MCMV)効果について検討した。bLF、hLFともにMCMV粒子に直接作用させた場合には効果が認められなかったが、MCMV感染前に細胞側に60分間作用させることによって、顕著なMCMV感染阻止効果が認められた。この結果から、bLF、hLFはMCMVが細胞に吸着ないしは侵入する際に阻止効果をもたらすものと推察された。顕著な抗MCMV効果を示すbLF、hLFの最少濃度はそれぞれ0.01mg/ml、1mg/mlであった。人乳のLF濃度は初乳3〜7mg/ml、永久乳1mg/mlであることと本結果を考え合わせると、人乳中のLFの抗サイトメガロウイルス効果が期待される。