著者
時下 進一 時下 祥子 志賀 靖弘 太田 敏博 小林 道頼 山形 秀夫
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集 日本陸水学会第69回大会 新潟大会
巻号頁・発行日
pp.145, 2005 (Released:2005-09-21)

淡水圏の食物連鎖において重要な位置を占めている枝角目甲殻類(ミジンコ類)は、低酸素に応答するヘモグロビンの顕著な増加と体色の赤化、環境悪化に応答する単為生殖から両性生殖への転換、捕食者の出す化学物質に応答する形態変化など、特異で興味深い環境応答を示す。また飼育が容易で多数の遺伝的に均一な個体が得られるなど、実験材料として優れた性質を備えている。本発表ではミジンコ類の環境応答および形態形成機構について我々が行なっている分子生物学的研究の概要を紹介するとともに、6種類見いだされたヘモグロビンサブユニット鎖の構造と分子進化、それらの遺伝子のクラスター構造と発現調節について詳しく報告する。