著者
花里 孝幸 廣川 春香
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集 日本陸水学会第69回大会 新潟大会
巻号頁・発行日
pp.44, 2005 (Released:2005-09-21)

ミジンコの個体群変動を実験室内で起こし、増殖期、ピーク期、衰退期に殺虫剤カルバリルを投与してその影響を調べた。ピーク期に殺虫剤が投与された時に最も大きく個体群が減少し、また回復が遅れた。このことから、殺虫剤に対する個体群の感受性は、個体群の趨勢によって異なり、ピーク期が最も殺虫剤の毒性影響を受けやすい時期であることがわかった。これには、個体群の変動に伴って変動した餌条件が関わっていたものと考えられた。
著者
岩崎 麻美 高松 信樹 功刀 正行 大沢 信二
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集 日本陸水学会第69回大会 新潟大会
巻号頁・発行日
pp.191, 2005 (Released:2005-09-21)

天然には、様々な環境下において青色を呈する天然水が存在している。青色天然水として知られている福島県裏磐梯の五色沼、群馬県中之条の四万湖および大分県別府の海地獄は共に青色を呈している天然水として知られている。青色天然水の呈色については1)鉄イオン, 銅イオンによる長波長光吸収機構2)微粒子による短波長可視光散乱機構 3)水そのものによる長波長光吸収機構が挙げられる。この3地点の共通点としては、硫酸酸性水にNaCl(食塩)型の温泉水が混合していることが挙げられる。本研究では水文学的調査、色彩学的調査および種々の呈色因子の同定から青色呈色がどのような物質により、どのような機構で生じているのかを解明することを目的とした。
著者
時下 進一 時下 祥子 志賀 靖弘 太田 敏博 小林 道頼 山形 秀夫
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集 日本陸水学会第69回大会 新潟大会
巻号頁・発行日
pp.145, 2005 (Released:2005-09-21)

淡水圏の食物連鎖において重要な位置を占めている枝角目甲殻類(ミジンコ類)は、低酸素に応答するヘモグロビンの顕著な増加と体色の赤化、環境悪化に応答する単為生殖から両性生殖への転換、捕食者の出す化学物質に応答する形態変化など、特異で興味深い環境応答を示す。また飼育が容易で多数の遺伝的に均一な個体が得られるなど、実験材料として優れた性質を備えている。本発表ではミジンコ類の環境応答および形態形成機構について我々が行なっている分子生物学的研究の概要を紹介するとともに、6種類見いだされたヘモグロビンサブユニット鎖の構造と分子進化、それらの遺伝子のクラスター構造と発現調節について詳しく報告する。