- 著者
-
西本裕 紀子
惠谷 ゆり
加嶋 倫子
伊藤 真緒
麻原 明美
清水 義之
曺 英樹
川井 正信
位田 忍
川原 央好
- 出版者
- 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
- 雑誌
- 日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.1, pp.647-653, 2018 (Released:2018-04-20)
- 参考文献数
- 23
- 被引用文献数
-
1
【目的】重症心身障がい児(者)(以下、重症児(者)と略)におけるベースライス法ミキサー食の臨床的有用性について検討する。【対象・方法】べースライス法ミキサー食を導入した重症児(者)27例を導入前の栄養法が栄養剤のみの栄養剤群10例と加水法ミキサー食の加水法群17例に分類し、診療録から導入前後のBMI、血清アルブミン(以下、Albと略)値、摂取エネルギー量を後方視的に検討した。アンケートから導入前後の排便回数、便性、嘔吐頻度、調理・介護時間、感想について検討した。【結果】べースライス法導入前後でBMIは有意差がなく、Alb値は栄養剤群で、総摂取エネルギー量は加水法群で有意に増加した。便性は両群とも有意に改善し、嘔吐も改善した。介護時間は56%が短くなったと回答し、「家族と同じ食事を入れられるのがうれしい」という感想が最も多かった。【結論】ベースライス法ミキサー食を導入した重症児(者)において、導入前の栄養法にかかわらず栄養状態は維持改善できた。また消化器症状の改善が認められ、家族の高い満足度が得られた。