著者
中山 聖 福西 恵太 山下 晋 春日 規克 岡崎女子大学非常勤講師 愛知県立安城東高校 岡崎女子短期大学 岡崎女子大学
雑誌
岡崎女子大学・岡崎女子短期大学 研究紀要 (ISSN:21882770)
巻号頁・発行日
no.55, pp.83-89, 2022-03-15

本研究では、陸上選手計 2 名に対し自転車エルゴメーターでの負荷漸増法により乳酸性作業閾値(LT)の測定を行った後、算出した LT 値前後の 5 種類の運動強度負荷にて 15 分間の一定強度ペダリング運動を行った。各強度の血中乳酸濃度が定常に達した値により乳酸カ-ブを描き、従来の乳酸カ-ブとの比較を行いLT の意義を検討することを目的とした。 結果として、15 分間ペダリング時の血中乳酸濃度はすべての強度において、従来の方法による血中乳酸濃度より高値を示した。5種類のペダリング強度と血中乳酸濃度との関係を示す乳酸カ-ブにみられるLTは、従来の方法によるLT測定時よりも低強度で観測された。 以上のことから、従来の LT 測定時の血中乳酸濃度はピークを迎える前の乳酸増加時の値であり、有酸素性と無酸素性作業の境界線を決める値としては問題があるため、トレーニングの LT 利用には今後さらなる検討が必要であることが示唆された。