- 著者
-
岡田 理沙
後藤 悦
愼 重虎
佐々木 典子
今中 雄一
- 出版者
- 一般社団法人 日本医療・病院管理学会
- 雑誌
- 日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.2, pp.44-52, 2023-04-30 (Released:2023-04-28)
- 参考文献数
- 42
介護保険サービス利用の地域差については,多角的な分析を行い,適切に対応していくことが求められている。本研究では,市区町村単位での介護保険サービス利用の地域差を明らかにしたうえで,その地域差に関連する因子を検討した。まず,介護保険者単位で居宅,地域密着型,施設サービスの利用割合を,全国及び大都市部,地方都市部,過疎地域の3つの地域別に記述した。次に,各サービス利用割合と5つの曝露因子の関連について,交絡因子を調整して調べるため,回帰分析を行った。本研究の結果,各利用割合は大きなばらつきを認め,特に居宅サービスは0%から20.4%まで分布していた。また,居宅サービス利用は大都市部,地域密着型及び施設サービス利用は過疎地域に多い傾向にあった。さらに,高齢単身者世帯の割合,女性の就業割合,高齢者の就業割合,居宅介護支援事業所のケアマネジャー数,施設サービス定員数の全ての曝露因子が各利用割合と関連を示した。