著者
成田 長人 金澤 勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.401, pp.29-36, 1999-10-29
被引用文献数
5

高臨場感放送サービスの研究として,広視野・超高精細映像が観視者の心理に及ぼす影響をスライドプロジェクターを使用して検討した.まず,画面サイズ,観視距離,絵柄を変化させたとき,観視者が静止映像及びパンニング映像から受ける印象をSD法を用いて評価し,因子分析法により心理因子「力量感」,「快適感」,「大小・遠近感」を抽出した.次に,静止映像を対象に,画面サイズ,観視画角,絵柄の幾つかのパラメータについて,「力量感」と「快適感」を7段階尺度で評価し,観視者の"好ましい観視距離"が「力量感」と「快適感」の効果を最大限に引き出せる場所に相当することを示した.最後に,撮影画角の影響を検討し,広画角で撮影した映像の方が,近距離で観視する傾向が強いことを示した.