- 著者
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浅野 尚人
戸城 達也
神澤 信行
- 出版者
- 日本植物生理学会
- 雑誌
- 日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第52回日本植物生理学会年会要旨集
- 巻号頁・発行日
- pp.0902, 2011 (Released:2011-12-02)
オジギソウは熱や接触に応答し、屈曲運動を行う。この運動には水の移動が関与しており、主葉枕下部から急激に水が放出され膨圧が低下することで屈曲運動が起こると考えられている。このような素早い水の移動にはアクアポリンの関与が考えられた。当研究室では計7種のPIPアイソフォームが単離されており、それぞれの水透過性が測定されている。運動細胞で発現、機能しているPIP遺伝子を特定するために実生オジギソウの各部位からcDNAプールを作製し、real-time PCR及び半定量的PCRによって発現量の解析を行った。その結果、主葉枕にはPIP2;2、PIP2;3遺伝子が発現していることが示唆された。さらに、主葉枕を下部と上部に分割して解析した結果、PIP2;2遺伝子が下部に多く発現していた。屈曲運動は接触して数秒で反応することから、PIPのリン酸化及び脱リン酸化による活性制御が考えられ、本研究ではこれらの阻害剤を用いて機能解析を行った。結果、PIP2;2は脱リン酸化阻害剤により水透過性が向上した。リン酸化される個所として、他の植物同様PIP2;2 にはC末端にPKCリン酸化モチーフが保存されている。そのため、PKCによる活性への影響を観察するために変異体を作製した。その結果PIP2;2の3つのリン酸化モチーフは全てPKCのリン酸化による活性調節を受けていることが示唆された。