著者
伊藤 譲 所 哲也 石川 達也
出版者
摂南大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

福島原発の凍土遮水壁は、原子炉建屋への地下水の流入を防ぎ、汚染水の増加を防いでいる。研究者らは凍土遮水壁が長期間維持される場合を想定し、アイスレンズ前面の凍土部分から未凍土方向に乾燥収縮等による水平クラックが成長し、凍土壁正面の未凍土部分に透水係数の極端に大きい領域が発生すると考えた。それで、研究者らは凍土遮水壁を模し、水平方向に凍結融解を行い、その途中で鉛直方向に透水実験を行うことのできる装置を用いて実験を行ってきた。その結果、細粒土においては凍上性の強弱に関係なく、凍結面が一定位置にとどまっていても、間隙比の変化が続き、長期的には遮水性が損なわれる可能性が高まっていることが明らかとなった。