著者
気賀沢 保規 肥田 路美 高橋 継男 手島 一真 松浦 典弘 高瀬 奈津子 櫻井 智美 江川 式部 江川 式部
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究の目的は、魏晋南北朝隋唐時代の本質が「仏教社会」であるとの認識に立って、その社会の構造や特質を、仏教石刻(主に文字資料)を通じて明らかすることにある。本研究では、(1)房山石経、(2)山西・河北仏教石刻、(3)四川仏教石経、(4)華北仏教石刻の4本の柱を立て、現地調査や資料整理と考察を進めた。(1)では4千点以上の隋唐石経の所在状況と題記を整理し、(2)では山西長治地区の仏教に焦点を当て、(3)では洛陽の石刻資料の把握に努め、(4)では四川灌県の仏教石経の所在に迫った。当時の仏教社会の基層を浮き彫りにするにはなお研究の深化が必要となるが、多くの成果により基礎的作業はほぼ終了したと考える。