著者
打越 聰 東 貞男 城戸 健一
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.289-295, 1991-04-01
被引用文献数
2

多数の騒音源の中から対象とする音源のみを分離測定するために、筆者らが、先に提案した2個の配列マイクロホンの結合によるX形又はV形マイクロホン配列システムは、感度の空間特性におけるメインローブの幅が、対象音源の全周方向で一様に得られる。しかし、サイドローブの減衰レベルは、単一の配列マイクロホンの減衰レベルに比してかなりに劣化する。本報では、サイドローブの減衰レベルを改善する目的で、2組のX形又はV形マイクロホン配列システムを結合したXX形又はVV形マイクロホン配列システム構成を採り上げ、コンピュータ・シミュレーションによる特性の計算を実施した。計算結果の検討を通して、XX形マイクロホン配列システムの場合、初めの段階で、X形マイクロホン配列システムの2配列マイクロホンの出力間のクロススペクトルを求め、次の段階で、求められた2X形マイクロホン配列システム出力間のクロススペクトルを求める「2重クロススペクトル」の信号処理法によれば、所要の目的が達成できることを示す。