著者
持元 江津子
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.97-106, 2000-09-30 (Released:2009-12-08)
参考文献数
68

ケインズの多様な活動と著述から、彼独自の“芸術論”がありそうだが、彼自身は“芸術論”としてまとまった著作を残していない。しかし、彼の初期における美学的な考察と、ロジャー・フライの影響を受けたケインズの芸術に関する政策提言的な著述とから、彼の“芸術論”を推測することが可能になる。結局、彼の“芸術論”は、芸術のもつ‘公共性’に関する観察に根ざした独自のものに発展していったことが明らかになった。