著者
松元 理恵子 千葉 しのぶ 改元 香
出版者
鹿児島女子短期大学
雑誌
鹿児島女子短期大学紀要 = BULLETIN OF KAGOSHIMA WOMEN’S COLLEGE (ISSN:02868970)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.135-140, 2017

2011年に中央教育審議会の答申により, 現在のキャリア教育の基本的方向が決定づけられた. 大学生のなかには, 将来の自分のすすむ道や目標を考える際に, 自分の適性に合った職業選択への自信のなさから, 自尊心や自己効力感の低下につながる傾向がみられている. 本研究では, 短期大学生の食物栄養学専攻の学生を対象に, 2015年に 「かごしまの味」 に認定された郷土料理を授業で体系的に学ぶ体験が, 授業内容にどのような価値を求めるかを検証し, 将来の目標にむかう動機づけの強さが, 自尊感情やキャリア形成に対する考え方に与える影響を考察することを目的とした. 将来の職業とも関連がある内容として, 地域で受け継がれてきた伝統的な料理や作法等の継承と文化を形成する一番の基盤である家庭の食事や食文化を学ぶことは, 新たな自分の発見や学んでいることを誇りに感じ, 将来の目標, 就職活動に対してもよい影響を与えることができると考えられた.