著者
政井 英昭 一 慶昭 岩永 英子 MASAI Hideaki ICHI Yoshiaki IWANAGA Eiko
出版者
福井大学教育地域科学部附属教育実践総合センター
雑誌
福井大学教育実践研究 (ISSN:13427261)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.163-174, 2009-01-31

ADHD を疑われる知的障害特別支援学校高等部3年生の知的障害児(A)への教育的支援について「くらし」「仕事」「縦割り集団活動」の三つの指導形態において対応した記録をまとめる。A は,感情にまかせて我を通す姿がよく見られたが,「仕事」では自ら希望した「織り物」の活動において自己の課題に取り組み,また,「縦割り集団活動」では好きな木工関係の活動で小中学部の児童生徒に対してリーダーシップを発揮する場面の中で,それぞれ自己調整力の育成を図ってきた。担任とは,「くらし」の時間を中心に活動した。これらの活動の中でA にとっては,何が中心的課題で,周囲はどんな点に配慮して活動を進めてきたか,また,進めるべきだったかなどについて,事実に即してまとめる。また,進路指導主事のアドバイスの下で繰り返し行った現場実習の結果得られた卒業後についても触れる。