- 著者
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数野 渚
鈴木 秀和
溝渕 綾
半田 信司
- 出版者
- 植物研究雑誌編集委員会
- 雑誌
- 植物研究雑誌 (ISSN:00222062)
- 巻号頁・発行日
- vol.98, no.3, pp.124-133, 2023-06-20 (Released:2023-06-20)
- 参考文献数
- 19
- 被引用文献数
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底生羽状珪藻タマスジケイソウ属(オビフネケイソウ科)のLuticola belawanensis Levkov & Metzeltinの生細胞と被殻微細構造を光学および電子顕微鏡を用いて観察し,詳細な殻微細構造とそれに基づく近縁種との形態学的相違点,そして新たに帯片に関する以下の形態学的特徴を明らかにした.半殻帯は最大4枚の帯片から構成され,いずれの帯片も片端開放型で,半殻帯の両端において開放端と閉鎖端が交互に重なる.第1帯片の接殻帯片は表出部に2列の胞紋列をもち,内接部縁辺には小円鋸歯をもつ.第2帯片から第4帯片も表出部に2列の胞紋列をもち,各帯片の開放端の反対側にある小舌は,上に重なる帯片の開放端を裏打ちする.本種は日本では沖縄から関東の広い範囲に分布し,特に河口の感潮域に生育すると考えられる.