著者
斉藤 信浩 玉岡 賀津雄
出版者
言語科学会
雑誌
Studies in Language Sciences (ISSN:24359955)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.35-47, 2021-03-31 (Released:2021-03-31)
参考文献数
32

理由節カラは、内容領域、認識領域、言語行為領域へと意味的に拡張し、多義化した。韓国語は日本語と同じ3領域に拡張した理由節を持ち、中国語は内容領域と認識領域の2領域だけを持つ。そこで、韓国語および中国語を母語とする日本語学習者の文法力を同等に統制して、3領域の用法の習得を比較した。その結果、韓国語母語話者は3領域を等しく理解したが、中国語母語話者は言語行為領域の理解が著しく低かった。母語の理由節の特性が外国語の理解に強く影響することが示された。