著者
斉藤 豊文 鳥脇 純一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.445-453, 1993-03-25
被引用文献数
85

本論文では,直方体ボクセルをもつ3次元ディジタル画像に対しても適用可能なユークリッド距離変換アルゴリズムについて報告する.本方法は,可変近傍で,かつデータ依存型アルゴリズムに基づく,従来とは異なった型のユークリッド距離変換のアルゴリズムである,次のような特徴をもつ.(1)すべての点に対して厳密なユークリッド距離変換が得られる.(2)ごくわずかの修正で一般にn次元画像に適用できる.(3)各座標軸方向の解像度が異なる(長方形ボクセルの)画像にも適用できる.(4)各座標軸方向の1次元処理に分解できるため,SPIDER2のDTEUと比較し,計算時間はむしろ速くなる.(5)入力画像を保存する必要がない場合は,1行または1列分の作業画像を用意すれば,距離変換を実行することが可能である.最後に,本方法の応用として,肝臓の連続切片顕微鏡像の解析について示す.
著者
加藤 敏洋 平田 富夫 斉藤 豊文 吉瀬 謙二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.1750-1757, 1995-12-25
被引用文献数
11

本論文では,サイズがN×Nの2値画像のユークリッド距離変換をO(N^2)時間で実行するアルゴリズムを与える.距離変換とは,入力として与えられた2値画像の各画素についてそこから最も近い0画素への距離を求める処理で,ディジタル画像処理における基本的な処理である.このアルゴリズムは,4近傍距離や8近傍距離などユークリッド距離以外の他の距離についてもアルゴリズム中の距離関数を置き換えるだけで距離変換が実行でき,その意味で一般的な距離変換アルゴリズムとなっている.また,p(1≦p≦N)台のプロセッサを用意すればO(N^2/p)時間の並列アルゴリズムが得られ,これまでの並列アルゴリズムより効率が良い.