著者
寺田 英司 中山 太郎 日置 恭司 斎藤 宗雄 奥平 博一
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.365-367, 1980-07-10 (Released:2010-08-25)
参考文献数
7
被引用文献数
2 3

Outbred hooded由来であるヌードラット (rnu/rnu) の, 免疫学的性格を検討した。胸腺依存性抗原 (ヒツジ赤血球) に対する抗体産生は, ヘテロ型 (+/rnu) ではIgM, IgG抗体ともに, 産生されるにもかかわらず, ホモ型 (rnu/rnu) ではIgM, IgG抗体とも, 一次反応, 二次反応でも検出されなかった。マウスsarcoma180の移植能を検討したところ, ヘテロ型では腫瘍の生着はみられなかったが, ホモ型では30日間以上生着し, 増殖することがわかった。T細胞にmitogenであるCoA, PHA-Pに対して, ホモ型の脾細胞は反応を示さなかった。以上のことから, rnu遺伝子をホモ型にもつこのヌードラットにおいては, T細胞機能が欠損していると結論した。