著者
斎藤 寛樹 江原 義弘 岩谷 友倫 大崎 諒
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.355-361, 2010-12-15 (Released:2011-07-08)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

一般的なバランス制御の身体運動は倒立振り子モデルに当てはめられ解析されることが多い.このモデルでは関節モーメントを変化させ床反力作用点の動く範囲の上に重心を留めることでバランスを保持している.つまり支持基底面内に重心投影点をとどめている制御である.しかしこの制御方式はヒトのバランス制御を完全には網羅しているとはいえない.今回の研究では支持基底面外に重心投影点が飛び出してもバランスが保持される制御方式を実験的に証明するために,身体を足部と上部身体に分け,矢状面の二次元においてつま先立ち動作を解析した.この制御では床反力作用点を動かさずに,全身の角運動量の変化を大きくし,床反力による重心回りのモーメントを生じさせていた.それによって床反力が重心よりも大きく逸れ,身体が倒れていく方向とは逆方向に力を作用させることでバランスを保つことができた.
著者
斎藤 寛樹 横山 光
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

腰痛は有症率・再発率が非常に高く、休職等により労働生産力を減少させ、 医療費の増大に大きく寄与する。しかし腰痛を起こし得る異常な運動様式については未だ明らかになっていない。筋シナジーとは筋活動の集合体のことであり、ヒトの複雑な動きの運動制御機構を反映していると考えられている。本研究では、慢性腰痛の原因となる筋シナジーを明らかにすることで病状の変化や治療効果の指標となるバイオマーカーの開発を目指す。