著者
新保 麻衣
出版者
東京大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2021-04-01

肺動脈腫瘍塞栓性微小血管症(PTTM)はがんに随伴する肺動脈塞栓症様の病態で、肺高血圧、右心不全のため短期間で致死的となる疾患である。本邦のがん罹患率は増加しているが治療も進歩し予後改善がみられている一方、PTTMは病態が未解明かつ診断、治療法が未確立であり担がん患者の予後に大きな影響を与えうる。実臨床でも多数の潜在患者が存在する可能性があるが国内外で系統だったエビデンスはほとんどない。本研究ではPTTM症例を前向きに登録し系統的に検査、治療介入を行い解析することで、病態解明、診断法確立と治療戦略開発を行い、診療現場への啓発と予後改善を目指す。