著者
新居雅行
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2012-DBS-155, no.14, pp.1-8, 2012-11-12

Web アプリケーション開発では,クライアントサイドの JavaScript を利用するスタイルが積極的に行われるようになった.本論文では,クライアントサイドで JavaScript を活用した Web アプリケーションにおける,認証認可処理の実装方法について検討を行う.通常の Web アプリケーションでは,ログインページや認証,認可の処理をすべてサーバ側で行う.一方で JavaScript を活用した Web アプリケーションでは,サーバとクライアントの双方での処理分担を設計する必要がある.本論文では,ページ遷移を引き起こす事なく認証認可の処理を実現するための,クライアントとサーバサイドでの処理割当について考察を行い,その割当に基づき効率的に Web アプリケーションを開発するためのフレームワークを開発した.クライアント側に処理機能があることから,その機能をアプリケーション開発者が意図していない利用をする可能性があり,その点から考えられる対策についても検討した.
著者
新居 雅行 鄭 顕志 石川 冬樹
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1_60-1_74, 2014-01-27 (Released:2014-03-27)

筆者が開発したINTER-Mediatorは,データベースを使用しWeb経由でアクセスするシステムの開発に利用するためのフレームワークである.予算規模の小さな組織でも業務システムの開発を円滑にできることを目指して開発された.データの表示や書き込みは手続き的なプログラムを作成しなくても宣言的な記述で実現する.開発作業後での表示項目の追加のような小規模な改変であれば,HTMLでの記述や設定ファイルの修正で行えるので,エンドユーザーやデザイナーによるシステム変更作業が可能となる.本稿では,これらの仕組みを実現するフレームワークのアーキテクチャを解説し,フレームワークを利用して構築したシステムの改変が宣言的な手法によってできる点を議論する.
著者
上野 優 新居 雅行
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2021-SE-207, no.37, pp.1-8, 2021-02-22

計算機科学の実験環境として Jupyter Notebook が広く使われているが,その計算機クラスタの管理は一般的に容易ではない.一方,クラスタ管理不要で需要に応じた計算資源の利用を可能にするクラウドサービスの一つとして FaaS がある.しかし Jupyter Notebook で書かれた手続き型プログラムを FaaS で実行しようとすると,FaaS のリソース割り当てが他のサービスに比べて小さいため,多くの場合実行できない.本稿ではこの問題に対して,一連の手続き型プログラムを細かく分割することにより,リソース割り当て制限内に収める手法を提案する.さらに提案手法に基づいて既存のノートブックの分割を行い,その機能性と効率性を評価した.