著者
新居 雅行 鄭 顕志 石川 冬樹
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1_60-1_74, 2014-01-27 (Released:2014-03-27)

筆者が開発したINTER-Mediatorは,データベースを使用しWeb経由でアクセスするシステムの開発に利用するためのフレームワークである.予算規模の小さな組織でも業務システムの開発を円滑にできることを目指して開発された.データの表示や書き込みは手続き的なプログラムを作成しなくても宣言的な記述で実現する.開発作業後での表示項目の追加のような小規模な改変であれば,HTMLでの記述や設定ファイルの修正で行えるので,エンドユーザーやデザイナーによるシステム変更作業が可能となる.本稿では,これらの仕組みを実現するフレームワークのアーキテクチャを解説し,フレームワークを利用して構築したシステムの改変が宣言的な手法によってできる点を議論する.
著者
鄭 顕志
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2005-02-02

MANET上で位置依存情報を省資源で収集するシステムを提案する。MANETは携帯端末で構築されているため、資源消費量を抑えた情報収集手法が必要である。情報収集地域内にモバイルエージェントを派遣し、情報収集を行うことで省資源な情報収集が可能となる。モバイルエージェントに滞在すべき物理地域を設定し、設定された地域内にとどまるようモバイルエージェントが移動を行うことで、端末が物理的に移動するMANETにおいても長時間にわたり最適な場所で情報収集を行うことができる。また、モバイルエージェントの移動に関する遅延を低減する手法を提案する。さらに、シミュレータ上で実験を行い、本手法を用いることで省資源かつ効率的な情報収集が行えることを確認した。
著者
相澤 和也 鄭 顕志 本位田 真一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.1025-1039, 2019-04-15

ソフトウェアシステムの安全性は,通常,開発時に想定した実行環境の前提下において保証される.この前提が実行時の環境変化等によって崩れると,システムの安全性は保証されない.実行時に起こる環境変化に対して可能な限りの安全性を維持・保証するためには,変化した環境下でどのような安全性が保証可能かを実行時に分析する必要がある.実行時の情報を用いた分析手法は環境情報の分析にかかる計算時間オーバヘッドが課題となる.本論文では,(1)環境変化の差分情報から効率的に安全性保証の判定を行うアルゴリズムを提案し,(2)アルゴリズムの効率性に関する評価と(3)安全性保証に関する証明を行う.このアルゴリズムは安全性を構成する要素ごとの保証可否と,環境変化によって生じる差分の2つの観点に基づいて分析している.これら2つの観点を組み合わせることによって既存技術を用いた分析と比べて計算時間を最大0.2%程度にまで削減できることが実験結果によって確認できた.
著者
本位田 真一 鄭 顕志 石川 冬樹
出版者
国立情報学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,空間制御ソフトウェアを対象とし,想定外に備えて迅速なソフトウェア進化を実現する分析,設計,検証手法を提案した.具体的には,(1)物理要素の制御に関する要求をゴールモデル上で明示化させるための制御ループ要求パターンをゴールモデル整形プロセス,(2)要求モデル上で明示化した制御ループ要求に対する実現責務を用意にトレース可能とする,制御ループモデルをモジュール単位として扱うソフトウェアアーキテクチャ,(3)制御ループ仕様の誤りを早期に発見可能とするための検証手法を提案した.さらにそれらの成果を統合した開発プロセスを構築し,スマートルーム内の清掃システムを開発し,その効果を評価した.
著者
鄭 顕志 清水 遼 高橋 竜一 石川 冬樹
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1_49-1_59, 2014-01-27 (Released:2014-03-27)

実行時に起こる変化を検知し,要求を満たし続けるようソフトウェアの構造・振る舞いを自身で変更するソフトウェアは,自己適応ソフトウェアとして,その有用性が認知されている.自己適応ソフトウェア開発では,従来のアプリケーションロジックに加え,自己適応性のためのロジックを設計する必要がある.本論文では,近年特にソフトウェア工学の分野で議論されている,自己適応ソフトウェアのための自己適応性設計に関する研究動向を調査する.本論文では,自己適応性のロジックをモデル化する手法として広く用いられている,Monitor-Analyze-Plan-Execute-Knowledgeループの観点から,各要素の概要,研究課題,既存研究のアプローチを紹介し,今後の研究課題について議論する.
著者
鄭 顕志 中川 博之 川俣 洋次郎 吉岡 信和 深澤 良彰 本位田 真一
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.4_121-4_132, 2008-10-28 (Released:2008-11-30)
被引用文献数
1

ユビキタスコンピューティングにおけるアプリケーションは,実世界の状態を把握し,ユーザに対してより積極的なサポートを行わなければならない.このようなアプリケーションを効率良く開発するためには,従来とは異なる新たなアプリケーション開発手法が必要となり,数多くの研究が行われている.本論文では,ユビキタスコンピューティングにおける,アプリケーション開発手法に関する研究動向を調査し,傾向と問題点を整理する.
著者
本位田 真一 深澤 良彰 吉岡 信和 石川 冬樹 鄭 顕志
出版者
国立情報学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

次世代のソフトウェアであるユビキタスサービスの基盤インフラとなる,オープン無線センサーネットワーク構築のためのミドルウェアを研究開発し,公開した.本ミドルウェアを利用することで,長期にわたって安定運用が可能な無線センサーネットワークを構築することが可能となる.
著者
片渕 聡 鄭 顕志 高橋 竜一 深澤 良彰 石川 冬樹 本位田 真一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

近年,イベントによって呼び出され処理を行い通知するイベント駆動型Webサービスが注目を浴びている.現在の要求/応答型サービスを対象としている検索技術では,イベントに関する要求を満足するWebサービスを探し出すことができない.本研究ではイベント駆動型Webサービスの検索を実現するために,要求とサービス記述双方のイベント制約のマッチングを行う.