著者
新庄 貞昭 高橋 誠史 木村 秀敬 白井 暁彦 宮田 一乗
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.167-178, 2007 (Released:2008-05-27)
参考文献数
42

本解説では,グラフィックプロセッサ(GPU)を取り巻く環境やその利用法,開発環境の現状,およびGPUのコンピュータビジョンへの適用事例を紹介し,GPUコンピューティングの可能性を探る.GPUはプログラマブルシェーダの導入後,シェーダのバージョンアップにあわせてスペックの向上が行われてきた.またCPUと比較して制約は多いが,プログラミングを工夫することにより速度向上が可能である.GPUは幅広く利用されているが,特筆すべき適用事例としてコンピュータビジョン,物理シミュレーションがあり,汎用計算においては分散コンピューティングによるナノテクへの応用も報告されている.本解説では,GPUに加えて最近のCPUアーキテクチャの革新であるマルチコアプロセッサCPUについても触れるとともに,最新OSのひとつであるWindows Vistaでのグラフィックユーザインタフェースへの利用にも触れ,今後の応用の可能性を探る.