著者
新田 佳菜 森 俊樹
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.109-127, 2022 (Released:2022-03-26)
参考文献数
22

P2Mプログラムマネジメントでは、同時並行的に進行する多数のプロジェクトを管理する必要がある。しかし、従来の人手に頼ったマネジメント手法だけでは、全てのプロジェクトに十分に目が行き届かないという課題があった。そこで、機械学習を用いたプロジェクト異常予測をプログラムマネジメントに適用し、重大なプロジェクトリスクを自動で検知することを試みている。システム開発プロジェクトを対象とした試行により、精度面では実運用可能なレベルになったことを確認したが、その一方で、高リスクプロジェクトを検知するだけでは、プログラムに影響を及ぼすリスクとして適切に判断し、対応することができないという課題も明らかになった。本研究は、プログラムマネジャーがリスクを検知し対処するまでの意思決定の支援を目指し、システム開発プロジェクトの失敗の予兆となるリスク事象を体系的に抽出し、実事例と比較してその妥当性を確認した。