著者
金内 博伸 新田 光広 谷内 利明 谷 辰夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.219, pp.7-11, 2004-07-16

21世紀は水素エネルギーインフラストラクチャの時代といわれる.この水素の製造法の1つに風力発電があげられ,その効率向上策として電力の緩衝媒体にEDLC(電気二重層キャパシタ)を用いたシステムを提案した.このシステムは,風力発電機と水素発生器の間にEDLCおよび充放電制御装置を挿入することで,発電量の変動を緩衝して水素発生器に定格電力を出力する.しかし,EDLCは他の蓄電池と比べコストが高く,このシステムにおける適正な容量を明らかにすることが求められている.そこで,水素発生器へ効果的に電力を出力するためのアルゴニズムを明らかにし,適正EDLC容量を数値解析により求めた.発電された電力を常時水素に変換する本システムでは,発電量に応じた適正な水素発生器容量を選定することで,EDLCの充放電がバランス良く行われることが分かった.この場合EDLC容量が変化しても水素発生器への供給電力量の影響は少なく,EDLC容量を比較的小さく抑えることが可能である.