著者
渡辺 正樹 新畑 豊 茂木 禧昌 出口 晃
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.293-297, 1993-08-25 (Released:2009-09-03)
参考文献数
21

急性期および慢性期の脳幹部ラクナ梗塞 (LI) 群におけるアンチトロンビンIII (ATIII) 値およびトロンビン-ATIII複合体 (TAT) 値をテント上ラクナ (LS) 群, 皮質枝血栓 (TH) 群, 心原性塞栓 (EM) 群と比較して, その凝固状態を検討した.ATIII値はEM群が急性期, 慢性期ともに最も低く, LI群はLS, TH群と同程度の値を示した.一方, LI群の急性期におけるTAT値はTH, EM群と同程度で, LS群より高値を示した.このことよりLI群はLS群と同規模の梗塞ながら, より凝固亢進状態にあり, 大血管病変も存在する可能性があるといえた.TATはATIIIより鋭敏に過凝固状態を表し, 両者の併用は凝固状態把握のため必要と考えられた.