- 著者
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谷口 真吾
日暮 悠樹
松本 一穂
- 出版者
- 日本森林学会
- 雑誌
- 日本森林学会大会発表データベース 第127回日本森林学会大会
- 巻号頁・発行日
- pp.524, 2016-07-08 (Released:2016-07-19)
【研究目的】林冠が閉鎖した亜熱帯常緑広葉樹林の林床における天然下種更新(前更更新)の実態把握と前更更新由来の実生の動態を調査し、林分の後継樹としての消失種、加入種、生存種の生活史特性を考察した。【方法】調査林分は4.8haの皆伐地に隣接する70年生常緑広葉樹林である。伐採地の林縁から林内に直線距離で30m以上入った斜面上部と中腹部の林内に10×10mの毎木調査プロットを3区設置し上層木の胸高直径、樹高の計測と個体識別を行った。実生調査プロットは毎木調査プロットに近隣する林床に1×1mのプロットを12㎡設置した。皆伐から2成長期経過後の2013年から2015年まで成長期ごとに林床に生育する実生をナンバーリングし、加入種と消失種の動態と定着実生の成長量の変化を調査した。【結果と考察】3成長期とも加入種、消失種はそれぞれ10種以下で変動した。上層木の構成種と林内に更新した前更更新実生の種組成は類似度が高かった。新規の加入種は被食散布型の種子をもつ樹種が多かった。台風攪乱による林冠層の葉量の低下に起因する林内の光環境や林床の水分状態の変化が加入種、消失種の動態に影響を及ぼすことが推察された。