著者
日野 健一
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

超短パルス高強度レーザーを半導体に照射すると、位相がそろったコヒーレントフォノン(CP)が瞬時に励起され、観測量に顕著な振動パターンが現れる。本研究では、CP生成に付随して発現する過渡的Fano共鳴や光学フォノン・プラズモン結合状態などを統一的に理解可能な量子論的枠組みの構築、さらにそれに基づく実験結果の検証を目的とする。そのために、プラズモン、電子・正孔対およびフォノンから成る擬ボゾン演算子を導入し、これによるポーラロニックな準粒子モデルを提示し、当該系の解析を行う。特に、このモデルをさらに単純化することにより、過渡的Fano共鳴を含むCP振動の解析的表式を得ることに成功した。