著者
日隈 壮一郎 西山 勇毅 瀬崎 薫
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2020-UBI-66, no.5, pp.1-7, 2020-05-18

近年の都市構造の変容と急激なライフスタイルの変化に伴い,人間が屋内で過ごす時間は長時間化し,逆に屋外で直射日光を浴びる時間は年々短くなっている.過度な紫外線の被曝は皮膚癌やシワ,シミの発生可能性を高めるが,一方で適度な紫外線被曝は体内でのビタミン D の生成に必要不可欠である.また,基本的に野菜に含まれていないビタミン D の不足は,カルシウム不足や低カルシウム血症,骨の軟化やうつ病などに繋がる危険性があり,長期的な健康管理において,紫外線被曝量の管理は重要である.しかしながら,紫外線センサを常に携帯することはユーザの負担が大きく,長期的な利用には日常的に計測または推定可能な手法が必要である.そこで本研究では,スマートフォンに搭載された GPS モジュールを用いて,GPS 信号の受信状態から紫外線量を推定する手法の検討を行う.