- 著者
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春日井 邦夫
兼松 徹
日高 雄二
- 出版者
- 日本大腸肛門病学会
- 雑誌
- 日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
- 巻号頁・発行日
- vol.72, no.4, pp.153-164, 2019
<p>便秘治療薬は患者の程度・症状に合わせ,適宜増減可能な用量の薬剤が望まれる.慢性便秘症治療薬として開発された結晶ラクツロースのゼリー製剤(SK-1202,以下本剤)について,用量調節投与による有効性と安全性を評価した.日本人の慢性便秘症患者54例を対象に,開始用量として26g/日(ラクツロース量)を1日2回に分け,患者の症状に応じて13~39g/日の範囲で用量調節を実施しながら4週間経口投与した.33例が投与期間中に1回以上用量調節し,54例全例が投与完了した.自発排便回数は投与第1週で5.40±2.58回/週と,ベースライン1.70±0.61回/週に対して有意に増加し投与第4週まで持続した(いずれもp<0.001).臨床的に問題となる副作用も発現しなかった.</p><p>本試験にて本剤を用量調節投与した結果,中止例もなく良好な有効性および安全性が認められ,慢性便秘症に対する本剤の用量調節の意義が示された.</p>