著者
早川 善平
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
消化器病学 (ISSN:21851158)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.652-657, 1937

慢性潰瘍性大腸炎は, 歐米には其の報告例かなり多く存在すれども, 本邦に於ては全く稀有である. Colitis gravisなる名稱はRosenheimの提唱したたものである. 併し多くの場合, 潰瘍を伴なふ關係上BoasはColitis ulcerosaと言つて居る. 尚更に急性なるものとの區別から, StmauβはColitis ulcerosa chronicaと言つて居る. 稻田氏も矢張り之に賛成の様である. 最近當教室に於て, 其の2例を經驗したから其の臨牀症状及び經過竝びに療法に就いて報告しやうと思ふ.