- 著者
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早川 喜太
吉川 大弘
古橋 武
- 出版者
- 日本知能情報ファジィ学会
- 雑誌
- 日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第28回ファジィシステムシンポジウム
- 巻号頁・発行日
- pp.580-585, 2012 (Released:2013-07-25)
企業にとってアンケート調査は,市場の動向や消費者の嗜好などに対する知見を得るための重要な手段の一つである.しかし,これらアンケートにおいて,質問項目を適切に設計することは,重要な課題であると同時に,極めて困難な問題となっている.例として,回答者にとって同じ意味として捉えられる質問項目がアンケートに含まれている場合,同じ質問を複数回尋ねることとなり,アンケートの回答データを解析する上で,質問数あたりの情報量の減少につながる.しかしながら,質問項目を回答者がどのように捉えるか,あるいはそのばらつき方については,アンケートの質問項目の設計段階では予測することは難しい.一方で,アンケート実施後に,用いた質問項目の良し悪しや,回答者の質問の捉え方を解析することは可能であると考えられる.そこで本稿では,アンケートの回答データから,用いた質問項目間の関係を解析し,解析結果をもとに次回以降のアンケートの質問項目設計にフィードバックすることを目的とする.本稿では,対象空間における"質問ベクトル"を定義し,質問ベクトル間の角度に基づく質問間関係の解析手法を提案する.