著者
奥村 彰久 早川 文雄 久野 邦義 夏目 淳 渡辺 一功
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.475-479, 1994-11-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
8

脳室周囲白質軟化症 (PVL) 17例の出生予定日の頭部CT所見を, 正常発達を確認した児50例と比較した.脳室周囲白質の域性低吸収域は正常発達児の40%に認められ, 必ずしも病的な所見とはいえなかった.それに対し, 脳室周囲白質の孤立性低吸収域・脳室壁の不整・半卵円中心の著明な低吸収域はPVLに特徴的であった.新生児期CT所見が軽度・中等度異常の例では, 年長に達した時点のMRI所見とは55%で, 運動発達予後とは50%で, 異常の程度が一致した.CT所見が重度異常の児はMRI所見・予後とも重篤であった.重症のPVLでは半卵円中心の著明な低吸収域が特徴的で, その範囲はMRI所見・予後と関連が認められた.