著者
坂本 達昭 細田 耕平 バズビートリニティー さくら 早見(千須和) 直美
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.246-255, 2019-08-31 (Released:2019-08-31)
参考文献数
25

目的:食事中のスマートフォン等の利用頻度および食事中にスマートフォン等を利用しないルールの有無とその遵守状況と家の食事の楽しさとの関連を検討すること.方法:熊本県と福井県の高校1・2年生1,897名に調査を依頼した(横断調査).調査内容は,属性,家の食事の楽しさ,共食頻度,食事中のスマートフォン等の利用頻度,食事中にスマートフォン等を利用しないルールの有無とその遵守状況である.回答者1,813名から無効回答等を除外し,残った1,718名を解析対象とした.従属変数を家の食事の楽しさ,独立変数を食事中のスマートフォン等の利用頻度,食事中にスマートフォン等を利用しないルールの有無とその遵守状況として,ロジスティック回帰分析を行なった.モデル1は調整変数を投入せず,モデル2は属性,モデル3は属性と共食頻度を調整変数とした.結果:モデル3において,食事中にスマートフォン等を利用しないルールがあり守っていること(男子:調整オッズ比2.24,95%信頼区間1.37-3.65,女子:調整オッズ比1.69,95%信頼区間1.13-2.54)は,家の食事の楽しさと関連していた.女子のみ,食事中にスマートフォン等をほぼ毎日利用していることと食事の楽しさには負の関連が認められた.結論:男女ともに食事中にスマートフォン等を利用しないルールがあり守っていることは,家の食事の楽しさと関連していた.
著者
坂本 達昭 早見(千須和) 直美 細田 耕平
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.3-12, 2018-02-28 (Released:2018-02-28)
参考文献数
27

目的:家の食事の楽しさと中学生と保護者の食事中のスマートフォン等の利用および共食頻度の関連を検討すること.方法:福井県内の中学2年生762名を対象に横断調査を実施した(有効回答者759名).調査内容は,基本属性,家の食事の楽しさ,中学生・保護者の食事中のスマートフォン等の利用,共食頻度とした.分析では食事中のスマートフォン等の利用は「週に1日以上使うことがある」群と「使うことがない」群に,共食頻度は「週4日以上」と「週3日以下」の2群に分けた.家の食事の楽しさを従属変数,食事中のスマートフォン等の利用,朝食・夕食の共食頻度を独立変数として男女別にロジスティック回帰分析を行った.結果:家の食事が楽しい者は,男子308名(82.6%),女子329名(85.3%)であった.多変量ロジスティック回帰分析の結果,男子の食事の楽しさには母親が食事中にスマートフォン等を利用しないこと(調整オッズ比(AOR):2.60,95%信頼区間(95%CI):1.29-5.25)が関連し,女子は父親が食事中にスマートフォン等を利用しないこと(AOR: 2.29,95%CI: 1.15-4.57),夕食の共食頻度(AOR: 2.62,95%CI: 1.37-5.04)が関連していた.結論:中学生が家の食事楽しいと感じるためには,保護者は食事中のスマートフォン等の利用を控えるべきであることが示唆された.