著者
明石 良 弓削 知恵 権藤 崇裕 川村 修 HOFFMANN Franz
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.588-593, 2002-02-15
被引用文献数
3

暖地型イネ科牧草の遺伝子組換え系を確立するために, 簡易で, 安価なパーティクルガンを制作し, グリスグラスの懸濁培養細胞へbar遺伝子の導入を試みたところ, ビアラホス耐性細胞を獲得した。プラスミドpAct1-F(GUS)を用い, そのトランジェント発現を指標として導入条件を調査したところ, ヘリウムガス圧5.0kg/cm_2,発射距離12.5cm, チャンバー内圧76cmHgで最も高いGUS遺伝子発現が認められた。さらに, プラスミドpAct1-F(GUS)およびpDM302(bar)を用いた同時形質転換では, 1mg/lビアラホスを添加したMS寒天培地で15個のカルスの増殖が認められ, その後, 同濃度のビアラホス添加MS液体培地で継代培養したところ, 旺盛に生長している耐性細胞を1系統得ることができた。この耐性細胞について, PCR法により導入遺伝子を検索したところ, 用いたプラスミドと同サイズである402bpのbar遺伝子断片を検出することができた。
著者
権藤 崇裕 石井 由紀子 明石 良 川村 修
出版者
日本草地学会
雑誌
Grassland science = 日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.33-37, 2003-04-15
被引用文献数
4

バヒアグラスの形質転換系を確立するために、小粒状カルスの効率的な誘導法および遺伝子導入条件について検討した。固形および液体培地誘導法によりカルス誘導を行ったところ、液体培地誘導法において短期間で効率的にカルスが形成され、多くの植物体を再生させることができた。また、液体培地誘導法により得られた小粒状カルスを用いて0.6Mの浸透圧処理を行うことで、従来のカルスよりも高い一過的GUS発現を得ることができた。さらに、barおよびGUS遺伝子を保持するプラスミドpDBlを用いて形質転換を行ったところ、2個の形質転換カルスが得られたが、再分化した個体は全てアルビノであった。しかしながら、これらの再分化アルビノ個体ではGUS発現が認められ、PCRによって導入遺伝子のbar(402bp)およびGUS遺伝子断片(1.1kbp)を検出することができたことから、本手法はバヒアグラスに十分適用できるものと考えられた。
著者
明石 良 足立 泰二
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.85-93, 1991-03-01
被引用文献数
1 15

一般にアポミクシス草種と言われているギニアグラス(Panicum maximum Jacq.)は,系統及びその遺伝子型によってアポミクシ又の程度を異にする.本報ではギニアグラスの未熟胚カルスから,高頻度に体細胞不定月三(SE)を形成した結果を示す.また,供試した品種および系統間に差異が認められ,アポミクシスとの関連についても検討を加えた.本実験で用いたギニアグラスは,農業生物資源研究所植物分類評価研究チーム囲場(宮崎市霧島)で保存中のもので,3保存品種及び9系統の計12genotypeを使用した(Table 1).滅菌した豊熟巾の種子から,O.5〜1.0mmの未熟胚を摘出し1Omg・1^-1,4-D,10%CW,O.8%Agarを添加したMS培地により25℃暗黒条件下で培養した(Fig 2).培養30〜40日後,カルスの上部に形成されたSEは解剖顕微鏡下で切り離し,さらにMS培地(1mg・1^-12,4-D,5%CW,0.2%Gelrite)で継代培養を行なった.またSEの発育促進のために1.0mg・1^-1Kinetinと1,Omg・1^-1GA3及び5%CW添加のMS培地に置床した(Fig.3).カルスは,培養後3〜5日目頃,胚の中央部分から形成され,その多くは透明なやわらかいカルスであった.しかし,その後,培養15日目頃には摘出胚の胚盤または中央部に相当する部分から白色でコンパクトなカルスが出現し始め,40日目には,カルスの.上部一面に形成された.さらに培養を重ねるにつれて,それらは突起状の不定胚構造を呈した(Fig 1).品種Petrie及ぴGattonでは,SEの形成卒が他の未熟胚よりも高かったのに対し,S67及びN68/96-8-o 1Oでは低く,N68/84-1-o 8では全く得られなかった(Table1).これらのSEを個別に分離して上述の発芽促進培地に置床したところ,Petrie,Gatton及びNatsuyutakaの3品種からは高頻度で植物体を誘導することができ,SEの形成卒と植物体再分化との間には品種及び系統間で顕著な差が認められた.そこでSE形成卒とアポミクシス程度との関係について調査を行なった(Fig.4).これによると本実験で供試したギニアグラスはSEの形成卒とアポミクシス程度によって3つのグループに分けることができ,その中でもPetrie及びGattonはSE形成卒が高く,さらにはアポミクシスの程度も商い値を示していることが判明した.