著者
亀井 文 星 千裕
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 = BULLETIN OF MIYAGI UNIVERSITY OF EDUCATION (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.165-170, 2023-03-31

レジスタントスターチ(RS)は、食物繊維と類似の生理作用を持つ機能性成分として注目されている。本研究においては米飯の炊飯直後から約20℃までの温度降下の初期老化過程において、米飯のRS含量がどのように変化するかをおにぎりの形態で明らかにすることを目的とした。炊飯後すぐにおにぎりを作製し、①おにぎりを皿に置き、そのまま放冷と②おにぎりを皿に置き、皿ごとラップをかぶせて放冷の2条件で2時間室温放冷したときの温度変化とRS量の経時変化を比較検討した。①の条件下では、温度は0分から30分において急激に低下しRS量は時間経過ごとに有意にRS量は増加した。②の条件下では、温度の低下は①の条件の温度低下と比べて緩やかな低下となり、時間の経過によるRS量に有意な差は見られなかった。このことから、老化が始まるとされる60℃までのおにぎりの急激な温度低下とその後の継続的な温度低下がRSの生成に関わることが示唆された。