著者
佐藤 敦 古屋 貴之 高木 博 小原 賢司 星野 雄志 富田 一誠
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
pp.211-213, 2020-03-01

は じ め に 変形性膝関節症(膝OA)に対する治療として,初期には食事療法,運動療法,薬物療法などの保存的治療が行われるが,それでもなお人工膝関節全置換術(TKA)に代表される手術的治療が必要となる症例も多く増加傾向である.近年,慢性疼痛に対する新規薬剤が導入され,その一つであるデュロキセチンの効果も報告されている.また,慢性疼痛を有する膝OAに対するデュロキセチンの有用性も確立されてきている.しかし,TKA周術期におけるデュロキセチンの効果に関する報告は少ない.そこでわれわれは,慢性疼痛を有する膝OA 11例に対しTKA周術期にデュロキセチンを使用し,その術後鎮痛効果を検討したので文献的考察を加え報告する.