著者
松本 大成 林 和生 甲斐 尚仁 春口 幸太郎 山村 葉子
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.822-827, 2012-09-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
9

背景:変形性股関節症に対する保存的治療法では日常生活動作である歩行時における下肢全体のバランスが重要であると考えられている.そこで,これを改善するために考案された運動療法である,歩行バランス法による保存的治療での臨床的治療効果に関して調査を行った.方法:99症例の変形性股関節症患者に対して歩行バランス法による治療を3カ月行い,治療前後での臨床評価をJOA score,およびNumeric Rating Scaleにて比較した.結果:特に初期の変形性股関節症に関して有意な臨床評価スコアの改善が得られていた.考察:歩行バランスを整えることにより短期的に臨床症状の改善が得られていた.長期的効果に関しては更なる調査が必要と考えられるが,特に初期の変形性股関節症に対しては歩行バランス法は十分に有効な治療であると考えられた.
著者
林 和生 德永 章二 春口 幸太郎 石津 章 大谷内 輝夫 下瀬 堯之
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.234-236, 2016

【目的】H19年からH21年に行ったゆうきプログラムでは,統計学的に有意な改善は見られなかったことを第120回西日本整形外科学会で報告した.今回,九州臨床研究支援センターに同じデータの分析を依頼し異なった結果を得たので報告する.【方法】H19年10月からH21年11月まで8の字ゆらしとCKC中殿筋調整訓練によるゆうきプログラムを行った片側性変形性股関節症99例99関節を対象とした.男性17例(67±8歳),女性82例(63±12歳)であった.治療開始時と3ヵ月後でのJOAスコアー,NRSを比較した.前回は,Wilcoxonの符号順位検定を行い,両側P<0.05を有意とした.今回,九州臨床研究支援センターに当時と同じエクセルデータの分析を依頼した.【結果】今回は,1標本t-検定での分析が行われJOAスコアー,NRSともに統計学的に有意な改善が見られていた.【考察】診療機関ではデータの入力のみを行い,データの抽出・解析は,専門の第3機関に依頼する必要があると思われた.