著者
清水 浩 小林 和生 岩田 博夫 雨宮 浩 阿久津 哲造
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.203-208, 1991

ハイブリッド型人工膵臓では、ラ島は血管系から切り放されさらに半透膜で被われている。このためハイブリッド型人工膵臓の血糖値変化に応答したインスリン分泌は、当然自然の膵臓からのインスリン分泌とは異なるであろう。本研究では、ハイブリッド人工膵臓の形状、半透膜の膜厚や膜中の高分子濃度等がインスリン分泌に与える影響を、実験と理論の両面から検討を加えた。よく実験値を再現できる数式モデルを組み立てることができた。数式モデルによる解析より、インスリン分泌の動特性に与える影響は、ハイブリッド型人工膵臓の形状よりはラ島を包むハイドロゲル膜の膜厚が大きな影響を与えることがわかった。本研究により、ハイブリッド型人工膵臓作製のための、基礎データを得る膜透過試験評価システムまたインスリン分泌の数式モデルを構築でき、これらは今後新規な封入材料を選定したり、新たなシステムを作製する有効な手段になり得ると考えられる。
著者
野口 竜也 小林 和生 西村 武 香川 敬生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.I_617-I_625, 2021

<p> 鹿野・吉岡断層は1943年鳥取地震により現れた地震断層である.両断層では,断層変位箇所の調査としては,トレンチ調査,踏査,住民からの聞き取り調査が行われている.地盤構造調査として,微動探査や重力探査を行っており,さらに断層変位箇所やその近傍においては,稠密な微動観測も行われている.ただし,断層の存在による破砕帯や段差構造などの不整形性による地盤震動特性の違いについては十分な検討がなされていない.そこで本研究では,断層変位箇所やその近傍の稠密微動観測の結果を用いて,断層のごく近傍における地盤震動特性を把握した.その結果,地表変位箇所を境にその前後で微動H/Vの形状に違いがみられた.この要因について,地下構造探査の結果との対応関係より,断層の破砕帯や段差構造が微動の特性に関与していることが示唆された.</p>
著者
野口 竜也 小林 和生 西村 武 香川 敬生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.I_617-I_625, 2021 (Released:2021-07-22)
参考文献数
12

鹿野・吉岡断層は1943年鳥取地震により現れた地震断層である.両断層では,断層変位箇所の調査としては,トレンチ調査,踏査,住民からの聞き取り調査が行われている.地盤構造調査として,微動探査や重力探査を行っており,さらに断層変位箇所やその近傍においては,稠密な微動観測も行われている.ただし,断層の存在による破砕帯や段差構造などの不整形性による地盤震動特性の違いについては十分な検討がなされていない.そこで本研究では,断層変位箇所やその近傍の稠密微動観測の結果を用いて,断層のごく近傍における地盤震動特性を把握した.その結果,地表変位箇所を境にその前後で微動H/Vの形状に違いがみられた.この要因について,地下構造探査の結果との対応関係より,断層の破砕帯や段差構造が微動の特性に関与していることが示唆された.
著者
松本 大成 林 和生 甲斐 尚仁 春口 幸太郎 山村 葉子
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.822-827, 2012-09-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
9

背景:変形性股関節症に対する保存的治療法では日常生活動作である歩行時における下肢全体のバランスが重要であると考えられている.そこで,これを改善するために考案された運動療法である,歩行バランス法による保存的治療での臨床的治療効果に関して調査を行った.方法:99症例の変形性股関節症患者に対して歩行バランス法による治療を3カ月行い,治療前後での臨床評価をJOA score,およびNumeric Rating Scaleにて比較した.結果:特に初期の変形性股関節症に関して有意な臨床評価スコアの改善が得られていた.考察:歩行バランスを整えることにより短期的に臨床症状の改善が得られていた.長期的効果に関しては更なる調査が必要と考えられるが,特に初期の変形性股関節症に対しては歩行バランス法は十分に有効な治療であると考えられた.
著者
吉田 敏弘 石井 英也 松村 祝男 吉田 敏弘 林 和生 小野寺 淳 小倉 眞 松村 祝男 小倉 眞 古田 悦造 林 和生 野間 晴雄 小野寺 淳 松尾 容孝 原田 洋一郎
出版者
国学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

文化財保護法や景観法に基づく文化的景観の保全事業実施にあたり、保全対象となる文化的景観の選定にあたっては、文化的景観のAuthenticityを学術的・客観的に評価する必要がある。本研究では、「一関本寺の農村景観」と「遊子水荷浦の段畑」を主たる事例として、景観の価値評価を試行し、次のような5つのステップから成る基礎調査が有効であると判断した。(1)明治初期地籍図などに記録された伝統的景観の特質の解明、(2)伝統的景観(地籍図)と現景観との精密な比較、(3)近代以降の景観変化の過程とメカニズムの解明(土地利用パターンや作物、地割など)、(4)伝統的な景観要素残存の背景を地域の社会・経済・文化的側面から考察、(5)現景観の活用可能性の考察と保全の方向性の提示。なお、上記の作業をヴィジュアルに活用するため、GISの導入と時系列統合マップの構築が有効であることも確認した
著者
清水 浩 小林 和生 岩田 博夫 雨宮 浩 阿久津 哲造
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.203-208, 1991-02-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
5
被引用文献数
1

ハイブリッド型人工膵臓では、ラ島は血管系から切り放されさらに半透膜で被われている。このためハイブリッド型人工膵臓の血糖値変化に応答したインスリン分泌は、当然自然の膵臓からのインスリン分泌とは異なるであろう。本研究では、ハイブリッド人工膵臓の形状、半透膜の膜厚や膜中の高分子濃度等がインスリン分泌に与える影響を、実験と理論の両面から検討を加えた。よく実験値を再現できる数式モデルを組み立てることができた。数式モデルによる解析より、インスリン分泌の動特性に与える影響は、ハイブリッド型人工膵臓の形状よりはラ島を包むハイドロゲル膜の膜厚が大きな影響を与えることがわかった。本研究により、ハイブリッド型人工膵臓作製のための、基礎データを得る膜透過試験評価システムまたインスリン分泌の数式モデルを構築でき、これらは今後新規な封入材料を選定したり、新たなシステムを作製する有効な手段になり得ると考えられる。
著者
林 和生 德永 章二 春口 幸太郎 石津 章 大谷内 輝夫 下瀬 堯之
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.234-236, 2016

【目的】H19年からH21年に行ったゆうきプログラムでは,統計学的に有意な改善は見られなかったことを第120回西日本整形外科学会で報告した.今回,九州臨床研究支援センターに同じデータの分析を依頼し異なった結果を得たので報告する.【方法】H19年10月からH21年11月まで8の字ゆらしとCKC中殿筋調整訓練によるゆうきプログラムを行った片側性変形性股関節症99例99関節を対象とした.男性17例(67±8歳),女性82例(63±12歳)であった.治療開始時と3ヵ月後でのJOAスコアー,NRSを比較した.前回は,Wilcoxonの符号順位検定を行い,両側P<0.05を有意とした.今回,九州臨床研究支援センターに当時と同じエクセルデータの分析を依頼した.【結果】今回は,1標本t-検定での分析が行われJOAスコアー,NRSともに統計学的に有意な改善が見られていた.【考察】診療機関ではデータの入力のみを行い,データの抽出・解析は,専門の第3機関に依頼する必要があると思われた.