著者
時政 文雄
出版者
日本作物学会中国支部
雑誌
作物学研究集録 (ISSN:09134662)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.14-16, 1969-08-01 (Released:2018-01-30)

従来, 米麦の無効分けつ茎は, 母茎や既発有効茎の寄生的存在であり, 耕作に当つても, これの抑制除去をはかることが, 増収につながるものとされている。しかしながら, 作物体内の生理的適応は極めて巧妙に無駄なくおこなわれている事実から推して, 無効分けつ茎がこのように, 一方的略奪浪費者としてのみに終始するものであると断定することには疑問がもたれる。特にP^<32> C^<14>などを用いて, 養分のけつ子間移行の模様が, 漸次解明されようとしている現在, この問題についても, 改めて検討してみる必要があるように思われる。以上の点から1962〜1966年度の間, 標題の実験を繰返し, 若干の知見を得たので, その概要を報告したい。